"RENT" Japan Tour : Christmas 2007 [観劇(その他)]
Broadway Musical "RENT" Japan Tour : Christmas 2007
東京国際フォーラム ホールC
2007年12月15日(土)18時開演 2階13列32番
ミュージカルは日本人キャストのものは今ひとつ熱心になれないのだが、来日公演の方はやはり気になる。これも、舞台はもとより映画でも名前だけは耳にしていたものの、ストーリーも殆ど知らない状態ながらチケットを入手していた。
その後、この日に会社の関係のゴルフが重なることとなり、場所と時間によっては行けないかと思っていたが、何とか千葉・茂原から戻ってきて間に合うこととなり一安心。京葉線の東京駅は実質有楽町の東京国際フォーラムの真下なので、思った以上に余裕を持って開演時間に間に合った。
オペラ「ラ・ボエーム」を下敷きに現代のニューヨークを舞台とした若者群像劇、と言うといかにも陳腐だが、人種、ドラッグ、セクシュアリティ(ゲイ)の問題が珍しくない日常的な事象として展開するとともに、何よりHIVが避けがたい存在として登場する。しかも、必ずしも豊かでない若者のHIVポジティブ達が治療薬を定期的に服用している場面など、それが決して特異なことではないように描かれるのは、既にエイズの本格的流行から15年ほど経過していた当時のアメリカではもう当たり前だったのかもしれないが、それから更に10年以上経過した現代の日本でここまでの一般的認識は依然として少ないだろうということに、改めて重苦しい想いになってしまう。
一方でミュージカル作品としての仕立ては決して先鋭的な印象ではなく、楽曲のメロディも歌唱も極めてバランスの良いものであり、また台詞によるやりとりは殆ど無く、程良く象徴的・暗示的な歌詞によって物語が進行するのも、ミュージカルとしてはむしろ好ましい印象。そうした音楽的な充実感と相俟って、ストーリー展開も素直に感情移入でき涙を誘うものだったと思う。また、事前にこの会場は音響があまり良くないという話も聞いていたが特にそれも感じることなく、ゴルフの疲れで眠気を感じるようなことも全くないとても充実した時間となった。
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