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「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展 [Art]


フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展
国立新美術館

考えてみたら今月は予定が立て込んでいるので、17日までのこの展覧会も来るチャンスが無いと気がつき、ちょっと頑張って歌舞伎座から日比谷線で六本木へ。美術館に到着したのは既に日の落ちた17時で、閉館の18時までは1時間ほどしか無かったが、目玉は一点だけなのもわかってはいたので、サクサクと見て回るつもりで場内へ。

場内はしっかりと人は入っているが混雑しているとまでは言えず、何とかストレスを感じずに見て回ることができた。展覧会の構成は下記のとおり。

1.「黄金時代」の風俗画
2.フェルメール《牛乳を注ぐ女》
3.工芸品/フェルメールと音楽
4.版画と素描
5.偉大なる17世紀の継承と模倣
6.19世紀後半のリアリズムの風俗画

第一部では、フェルメールと同時代の17世紀後半を中心とした多くの風俗画が並ぶ。ヤン・ステーンなど、その時代独特の教訓的寓意を含んだものが多いが、不道徳なものの象徴として賭博や色事と並んで居酒屋などでの酔態が多く取り上げられているのを見ると、ニヤリ(ギクリ?)とさせられる。

第二部は、お目当ての「牛乳を注ぐ女」の展示だが、最前列は止まらずに移動しながら見て、じっくり見る人はさらに後ろのロープの外から、という形。実物は想像よりも小さいサイズで、できればもう少し近くから見たいところ。繰り返し眺めると、最大の特徴である光の自然な柔らかさを中心に細部の一つひとつがきちんと描き込まれていることと同時に、全体の得も言われぬバランスの良さに引き込まれてしまい、しばし飽きることがない。

展示スペースに入る前に液晶ディスプレイ上でビデオ画像による解説があったり、近年のX線解析による研究成果などが展示されていたのも興味深く、画家が想像以上に計算し尽くし何度も線や背景を修正した結果であることが明らかにされることで、理解の助けにもなっていたと思う。

第三部は、フェルメールと同時代の陶器、ガラス等の工芸品の展示に加えて、当時の部屋を再現したスペースの壁やテーブル上などに10点以上の古楽器が並べられているコーナーがあり、実物をこれだけまとめて見られる機会は少ないだけに、なかなか興味深いものだった。

第四部以降は時間の関係もあって駆け足になったが、引き続き使用人、商人、農夫などを描いた18世紀以降の風俗画が多数展示されており、興味を惹く作品ばかりとは言えないものの、それぞれの時代の雰囲気を伝えるという意味では全体としてまずまず楽しめた。

こうして音声ガイドもなんとか最後まで聞いて1時間で回りきり、ショップでいつものように自分用の土産にクリアファイルだけ買い込んで、閉館時間と同時にそそくさと会場を後にした。


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Norihime

ご無沙汰しております。
私も10月の「東京美術館ツアー」の時に行きましたが、ニヤリとする場面がありました…笑。
クリアフォルダーは、私も買いましたよ。
やっぱり江戸はいいですね~。
今月も行く予定でしたが、金欠のため諦めました…。
次回は、2月に行きます。
by Norihime (2007-12-04 22:50) 

ShyBoar

Norihimeさん、コメントありがとうございます。
山谷はあるようですが、お元気そうで何よりです。
お互いに、呑んでも呑まれないようにしたいものですね・・・
by ShyBoar (2007-12-04 23:02) 

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