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国宝 薬師寺展 [Art]

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平城遷都1300年記念
国宝 薬師寺展

東京国立博物館・平成館 2008年4月6日(土)

京都の友人から送ってもらった招待券があったので、午後からは上野まで足を伸ばす。JR上野駅公園口から降りるといつもより人出が明らかに多い。花見の脇をかすめて国立博物館までたどり着き平成館へ。

入場して音声ガイドを借りると今回のナレーションは市原悦子で、落ち着いたトーンが心地良い。
まず最初は休ヶ岡八幡宮の境内を模した展示室になっており、国宝「八幡三神坐像」、重文「板絵神像」を中心としながら仏教と八幡神の関係の解説なども興味深い。

次の展示室でも東塔の古い伏鉢、水煙の模型、仏足石など薬師寺伽藍を構成する品々が並べられた奥に、すくっと立っているような国宝「聖観音菩薩立像」が目にとまる。有間皇子がモデルとも言われるこの像には、観音菩薩としての凛々しさとともに、大人になりきっていない青年の清々しい姿形も確かに感じられた。

続いて次室へはスロープ状の通路があり、登り切って折り返すと目の前に「日光菩薩立像」「月光菩薩立像」が登場する。一段高い場所から二体の胸の位置辺りに正対する形になるので、見上げる位置とはまた違った印象。前室の「聖観音菩薩立像」と異なり、腰の辺りの重心を左・右それぞれに置いた姿は官能的と言ってしまいたくなるような存在感があり、なぜか胸に迫るものを感じた。
その位置から再度スロープを降りると今度は広い展示室に立つ姿を近くから見上げる形になるのだが、ここでは髪の毛、筋肉や骨格の表現のリアルさや、鋳造技術の精緻さ、そして素材の質感などを食い入るように眺めることになる。また前室と同様、ここでも背面まで回り込んでじっくりとその姿を味わうことができたのも嬉しかった。

展覧会後半は、まず「第2章 草創期の薬師寺」で藤原京にあったとされる本薬師寺のものも含め、出土品を含む所蔵の品々が並べられるが、ここからも往時の空気が伝わって来るような気持ちになる。続いて「第3章 玄奘三蔵と慈恩大師」では、法相宗の根本経典を唐にもたらした玄奘三蔵と、その弟子で宗祖とされる慈恩大師に関し、経典類や画像が展示されている。最後の展示室は「第4章 国宝 吉祥天像」で、画像のパーツ毎の解説などが並べられた通路の奥に本体が展示されていた。小さい画像の前を並んで見ていくスタイルではあったが、思ったよりもじっくりと眺めることができ、緩やかな満足感を持って会場を後にした。

その後、本館裏の庭園が「博物館で花見」と称して一般公開をしていたので寄り道。手に入れたばかりのカメラで名残の桜など何枚か写してみた。ただ、5時過ぎになっていて池の向う側は立ち入り禁止となっていたのは少々残念だった。
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コメント 2

echi-ca

初めて書込ませて頂きます。
博多に在住のものです。
東京の「薬師寺展」行きたいな~…と思って検索していましたら、こちらにたどり着きました。
これは4月のものですね。随分遡って恐縮です。
6月までですが、貧乏ヒマなしで行くことはかなわないようです。
日光菩薩様。月光菩薩様と是非お会いしたいのですが…。
また、桜が綺麗ですね。
私は桜の散り際の葉が出始めたころの桜が大好きです。
とても幸せな気持ちになりました。
1月に歌舞伎座へ行った折りに、上野の博物館に行ったのですが、うっかり休館日でした。
なかなかご縁がありません。
また、お邪魔するかもしれません。
有難うございました。

by echi-ca (2008-05-05 22:22) 

ShyBoar

echi-ca様、こんにちは。

初めてお越しいただいて記事をご覧いただいたばかりか、コメントも頂戴し恐れ入ります。

素晴らしい菩薩像でしたので、6月までに上野で観ることは叶わなくても、またいつかご覧になれる機会があれば良いですね。
桜の季節も、ついこの間のような気がしていましたが、あれからもう一ヶ月経ってしまったということですね。

他の記事もご覧頂いたかもしれませんが、歌舞伎には足繁く通っております。博多座も何回か参りましたが最近は機会がなく、美味しい物も多いご当地だけに、ぜひ再訪したいと思っています。

お気に召しましたらまたお立ち寄りください。こちらこそどうもありがとうございました。
by ShyBoar (2008-05-06 13:36) 

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