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新春浅草歌舞伎(第2部) [観劇(伝統芸能)]

新春浅草歌舞伎(第2部)
浅草公会堂 1階お列3番

 

先日の第1部より更に下手端の席。舞台中央への視線が斜めになってかなり見難いが、こればかりは仕方がない。

1.「仮名手本忠臣蔵」二幕三場
 五段目 山崎街道鉄砲渡しの場、二つ玉の場
 六段目 与市兵衛内勘平腹切の場

昼の部の七之助も熱演ではあったが、やはり勘太郎の方がそれらしい。勘三郎写しと言えばそれまでだが、歌舞伎味は十分で性根の現し方も抑制がきいている。ただ、時として動きが大仰になるところは多少気になる。七之助のおかるは、やや線が細いものの健気さは出ている。獅童の定九郎は、花道での極まり姿は亀鶴より良いと思うが、本舞台での芝居がもたつく。亀鶴はやはりこちらの弥五郎の方が良い。

2.「蜘蛛絲梓弦」常磐津連中、長唄囃子連中
  市川亀治郎六変化相勤め申し候

本人がプログラムのインタビューで話しているとおり、通常は傾城、座頭、禿を替わるところを、傾城、座頭、童、番新、薬売りという構成。禿を童にしたのは常磐津の詞章に添ったものとのこと。舞台も平舞台でなく御殿の二重で「四の切」を彷彿とさせ、狐忠信ばりのケレンもある。スッポンも迫りも無い浅草公会堂で色々な工夫をしているのは楽しい。
ただ、とにかく蜘蛛の糸の大盤振る舞いで早替わりのたびに糸を撒くため、相手役や舞台装置にも絡みついてしまい、それを片付ける後見(段之、澤五郎)が大変。全体に楽しむことはできたが、盛り沢山過ぎてやや消化不良の面も。踊りは上手い人だし意欲は買うが、もうすこしこなれてから見てみたい気もする。

終演後は相変わらず寒かったので、閉店直前に「並木藪」に飛び込み天ぷら蕎麦とお酒一本で暖まる。その後、歌舞伎座に向かい関西から遠征してきた友人と終演後に合流し、遅くまで営業している店を探して、三原橋あたりに新しくできた飲食店ビルにある「麹の宵」という店で更に飲む。日本酒の品揃えが多く個室で燗酒ができるが、カラオケのようなタッチパネルで注文を受けるシステムは少々興ざめ。とは言え芝居の話で盛り上がり、店を出たのは結局12時過ぎだった。


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コメント 4

★とろりん★

はじめまして。勝手ながら、TBさせていただきました。
勘太郎の勘平、大変見応えがありましたね。
七之助の舞台も見ておきたいですね。
by ★とろりん★ (2006-01-16 18:47) 

ShyBoar

とろりんさん、はじめまして。TB&コメントありがとうございます。
勘太郎は教わったことを真っ直ぐにやっている感じでしたが、それはそれで簡単なことではないでしょうし、きちんと血が通った勘平でなおかつ歌舞伎らしさも感じさせてくれたと思います。
こちらからもTBさせていただきました。
by ShyBoar (2006-01-17 23:33) 

愛染かつら

こちらもTBさせて頂きました。
浅草歌舞伎は若さを楽しむものだと思いますが、やっぱりどうしても物足りなさが残ってしまう自分が嫌です(笑)。
by 愛染かつら (2006-01-28 15:22) 

ShyBoar

「浅草歌舞伎」は、お正月の「季節もの」として割り切った上で、
若手の中で活躍や成長が見られる役者がいればそれを楽しむ、
というつもりで観に行っています。
ただ、それでも力不足が目についてしまい、辛いこともありますよね。
by ShyBoar (2006-01-28 16:43) 

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