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初春歌舞伎公演(初日) [観劇(伝統芸能)]

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初春歌舞伎公演
国立劇場(大劇場) 2009年1月3日(土)11時30分開演 2階4列18番

今年は歌舞伎座さよなら公演の関係で2日に「古式顔寄せ式」が行われたため、どの劇場も3日からだが、国立劇場は例年通りでこの日が初日。

恒例の鏡開きをお目当てに開場時刻の10時を少し過ぎて到着したら、もう正面ロビーから南側売店まで列が伸びており、理事長や各役者のご挨拶は場内放送だけで聴くことに。でも、振る舞い酒を無事頂いて升を見てみると、何と團十郎丈のサイン入り!列の前の方だけでなく途中にいくつか含まれていたらしく「春から縁起が良い」思いをさせていただいた。また、初日ということもあってか、沢山の芝居見物仲間にもお目に掛かることができた。
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  石橋健一郎=補綴
1.歌舞伎十八番の内 象引 一幕
昭和57年の二代目松緑以来の上演となるもので、もちろん初見。浮世絵では幾つか残っているようだが、歴代團十郎でも二代目以降上演が途絶え「歌舞伎十八番」を選定した七代目も演じていない。今回も27年前が三幕物だったのを一幕にするなど、新たな「象引」と言えるものとのこと。
で、今回上演された芝居は荒っぽく言えば、悪役が公家の「暫」に象が出てくるようなもので、ユーモラスで他愛なく大らかな荒事らしさが感じられ、たっぷりと楽しめた。何よりも、昨年七月休演以来の舞台復帰を果たした團十郎が元気な姿を見せ、何より嬉しい限り。公家悪の三津五郎もきっちり。また、関東守護豊島家の跡継ぎ葵丸の巳之助が危なげなく勤め、成長を感じさせてくれた。



開演前と食事休憩には、こちらも恒例の太神楽曲芸協会による曲芸や獅子舞が披露されて、お正月らしい雰囲気。
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2.天皇陛下御即位二十年記念 十返りの松 箏曲連中 囃子連中
山田流の箏曲として昭和3年に発表されたもので、歌舞伎としては今回が初演とのこと。長寿を祝賀するという十返りの松を背景に上手側に箏曲、下手に囃子方が並び、福助が梅の精、橋之助が竹の精、また橋之助の息子3人が松の童として順次登場した後に芝翫が松の精として現れるという、成駒屋一門による舞台。穏やかな箏曲に乗って目出度く舞い収めるものだが、食事休憩後だったこともあり、30分弱の短い舞台ながら正直なところ結構眠気を誘われてしまった。



  四世鶴屋南北・三世瀬川如皐=作 古井戸秀夫=監修 国立劇場文芸課=補綴
3.誧競艶仲町 四幕六場
享和二年(1802)江戸中村座で初演以来の上演ということで、いかにも国立劇場の復活演目らしい取り組み。四世鶴屋南北による「双蝶々曲輪日記」の書き換え狂言で、京から江戸に舞台を移し、郷代官の南方与兵衛、遊女都、与兵衛女房お早といった登場人物で元の世界を持ち込みつつ、永代橋、深川、浅草駒形、下総八幡村、行徳といった地を巧みに織り込んだ作り。今回の監修・補綴の努力も大きいと思うが、途中休憩10分を挟んで2時間以上の舞台もすっきりとした仕上がりで、こちらも楽しめるものとなっていたように思う。
役者では「引窓」の与兵衛も経験している三津五郎が、やはり誠実な郷士という姿を手堅く見せて十分。都とお早二役の福助も、お早では田舎娘の純情さが少しくどい気はしたものの、概ね雰囲気は壊さず、出ずっぱりでまずまずの奮闘振り。橋之助の鳶頭与五郎は、もう少し気っ風の良さや勢いがあってもよいかとは思ったものの、違和感があるというほどでもなくそれなりの出来。三幕目の与兵衛町宅の場では、与兵衛妹お虎の芝のぶと中間才助の三津之助のやりとりなども面白かった。


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